ブギーポップは笑わないの3話目が放送された。
内容は2話目の続きとなっているので、2話目を見ていない人は大まかな流れを確認してから見た方が良いだろう。
3話目ではエコーズ編が終わりを迎えたが、色々と言いたいことは多かった。
あらすじ:要点まとめ
志望校A判定の生徒が消えた。
早乙女の罠に嵌り凪が重症、エコーズは再生能力を失う。
エコーズが本来の任務を遂げ帰還。
残されたマンティコアをブギーポップが襲撃し終わる。
物語の内容としては2話目の続きであり、エコーズ編の終わりまで描かれました。
最終的にはマンティコアの動きをブギーポップが封じ、消えた生徒の彼氏だった生徒が弓矢で射殺す幕引き。
色々と思うことありますが、言ってしまえば尺足らずかなという印象だったので細かく感想を書いていく。
凪:自己犠牲か?
放送室からの呼び出しが罠と分かっていながらも、マンティコアを止める為に自らを餌にした凪。
しかし、その場にはマンティコアはおらず協力者の早乙女のみが潜んでいる状況だった。
エコーズが生徒の中にマンティコアはいないと判断したことで油断したのか、切れ者であるはずの凪は早乙女にカッターナイフで首をパックリ切られ重傷に陥ってしまう。
引用:ブギーポップは笑わない3話
ここまでのイメージだと、早乙女程度には負けそうにもなかったが流石の凪も予想外の展開には対応できないようだ。
これで世界の危機と戦おうとしているのだから、凪の行動は命知らずとしか言いようがないと感じた。
最後の展開で凪はブギーポップの存在を認識していたことが明らかになるのだが、それなら素直にブギーポップに最初から任せておけばいいだろうと本気で思う展開だった。
勿論、凪にはブギーポップに任せきりに出来ないだけの理由があるわけだろうからその理由が楽しみになった展開ではあったが、凪の行動は人助けよりも自己犠牲に近いと感じたとまとめて置く。
エコーズの目的:人類への判定
物語の中心となっているエコーズは宇宙からやってきた人類を判断する存在だ。
彼がやるべき本来の事柄は、自らのコピーであるマンティコアを倒すことではなく、あくまでも人類への判定を下すことだ。
それを最優先にしたのか、早乙女に毒を盛られ再生能力を失っただけではなく、重傷を負っている凪を救うために自らの生命を分け与えたことで弱り切っていたエコーズはマンティコアとの戦い最後の最後に。。。
引用:ブギーポップは笑わない3話
自らを光に変え、自ら下した人類への判定を宇宙に伝えて消え去った。。。委員長1人をマンティコアの前に残して。。。
エコーズがやるべきことをやったんだと感じると同時に、マンティコアという化物の前に委員長1人を置き去りにした精神に関しては。やはり疑わざるを得ない。
戦闘能力ゼロの女子生徒が目の前にいたのに平然と置き去りにするというのは、流石にドン引いたとしか言いようはなく、こんな奴らに人類が判定されていたと思うと怒りが込み上げてくる。
人1人を平然と見殺しに出来る程度の進化しか遂げていない存在達に、判定されていて良いわけがない。
彼らがブギーポップにとっての世界の危機になり滅ぼされることを切に願う。
原作だと
コメントで知ったことなのだが、どうやら原作ではエコーズは最後の光の際にマンティコアに攻撃をし致命傷を負わせていたらしい。
アニメだと人類を捨て自らの任務を優先したように見えたのだが、原作では満身創痍の状態でマンティコアに捨て身の攻撃+宇宙に自らの意思を届けるという2つの行動を同時にやり遂げたのだ。
ちなみにだが、アニメでは分かりにくかったがマンティコアはエコーズの最後の光を喰らっており、いとも簡単にブギーポップに左腕を持っていかれたのは最後の光の攻撃で左腕が炭化されていた為という原作を意識しての展開だそうだ。
アニメだとマンティコアの左腕が炭化しているどころか、エコーズの攻撃を喰らった事すらも微塵も分からなかったが。。。
マンティコアの最後:なんたらさんの彼氏さん
マンティコアの最後だが結果としては委員長を殺そうとしていたところに、ブギーポップが姿を現しワイヤーのような物で一瞬で拘束した。
その後、動きを封じられたマンティコアの頭を、エコーズを救い学校に匿った後にマンティコアに殺されてしまった女子生徒の彼氏さんが頭を射抜き殺した。
引用:ブギーポップは笑わない3話
物語としては報復的な終わりだったのだが、全体的に小説の方で作られた間がうまく表現できていないのだとは感じざるを得ない展開だった。
正直に言ってしまえば、ブギーポップは笑わないは物語がサクサク進むがその分内容が入ってこないのだ。
あっさりしているというか、なぜ女子生徒の正体がマンティコアという化物であることを知っているとは言え頭を打ち抜けたのかが納得も出来ない。
どうであれ人間の姿をしている生物を打ち抜くことは容易ではないだろうし、ましてやその武器が弓矢となれば一撃で頭部を打ち抜くのは相当に精神がおかしい存在でないと不可能であろう。
にも拘らず、あっさり射殺したのだから視聴者としてはなんでそれが出来たのか?という点についての捕捉が欲しくてたまらないのだが、尺が足りないのかサクッと物語は進んでいってしまった。
これがブギーポップの味だといわれてしまえば良い返せないのだが、そうだとするなれば個人的には薄味過ぎると言わざるを得ない。
原作だとしっかりと間が存在
こちらもコメントで教えてもらったのだが、やはり原作ではマンティコアという正体を知っていても頭を射抜くことに躊躇していたようだ。
原作では、最初は胴を狙おうとするがブギーポップに頭を狙うように叱咤され、心を決めるという展開が描かれている。
アニメでは尺足らずで再現できなかったのだろうが、このシーンはどう詰め込んでもしっかりと再現するべきだった感じている。
なぜなら、ただの学生でしかない少年が正体は化物とは言え、人間の姿をした存在の頭を射抜くのだから。
相応の戸惑いと射貫くだけの覚悟をするシーンは絶対に描くべきだったとしか言いようはないだろう。
そうしなかった故に少年が、ただのサイコパス気味のイカレ野郎に見えてしまうのだから。
まとめ:なにも解決していない
物語としてはエコーズ編が完結したのだが、本質的な問題としては何も解決はしていない。
結局はエコーズとは何だったのか?マンティコアがエコーズが光に代わったことで怒り狂った理由は何だったのか?光に代わったエコーズは人類をどう判定したのか?
物語で答えを出さずに、見る側が色々と頭を使って想定することしかできない点は、個人的にはあまり好きではない作風と言える。
この手の作品は明確な答えがない為に、拡大解釈が可能であり結局のところ作者は何が言いたかったのかが分からない為に好きではないのだ。
最終的にブギーポップという作品で何を描くのか?と、既に最終的に何を描いてくれるのかが楽しみではあるのだが、それを思うと余計に今のままではダメな気はする。
現状では万人受けはしえない展開としか表現できず、正直なところ面白いと一言で言えるような内容にはなっていない。
絵師騒動があったアニメだけに、製作時間に追われて迷走したのでは?と思ってしまう事もあり、余計に残念だ。
続きとなるイマジネーター編が描かれる4話はこちらで書いている。
原作だとたしか射るのは躊躇してますね
最初に誤魔化すように胴を狙いブギーポップに叱咤されて頭部を撃ちぬいていた記憶があります
またマンティコアもエコーズの「メッセージ」を食らい重症かつ(アニメでは無傷だが腕は簡単に落とせたが首はそうもいかないというのは腕が半分炭化してた原作の名残)
片腕ながらブギーポップに拮抗しともすれば拘束を振りほどき押し返しかねない勢いだったかと
ちなみに早乙女君は(おそらく)蒸発して死んでます
エコーズの生死は分かりませんが広域の電波障害が発生するほど強力な電磁波が発生する光に自分の身を変えてメッセージを届けてるので
マンティコアを庇った早乙女君は即死
マンティコアも重症だったかと
コメントありがとうございます。
やはり原作だと射貫く子も躊躇したりしていたんですね。アニメだとあっさり頭を打ち抜いたのでなんで?と疑問に感じていましたが、原作の展開を知れてスッキリしました。
話を聞く限り原作をかなり意識はしているようですが、エコーズが放った最後の光で早乙女が死に、マンティコアが重傷を負っているならアニメでもそれが分かるようにしてくれればいいのに…アニメ版だとエコーズの影響で弱ってたというより、エコーズが光に代わったことを理由にマンティコアが発狂しているようにしか見えませんでしたのでもう少し分かりやすく描いてくれれば受け入れられる人が増えるはず…。
人気ゆえのリメイクという話ですが、今回のアニメも尺足らずじゃリメイクの意味がないんじゃ?と感じるので尺度外視で原作に忠実に再現してほしいなって思います。
笑わない編を見てもらえれば群像劇であることはわかってもらえたと思うんですが、
これは笑わないに限ったことではないんです
そもそも笑わない自体が、20年以上続いているブギーポップシリーズの一編でしかなくて、
さらに言えば、他の出版社から出ている広大な大河ドラマのうちの、ほんの一瞬の出来事なんです
笑わないで解決したのはマンティコア事件と呼ばれているひとつの出来事であって、
物語としてのテーマ、メッセージや世界観などはもっと広い展開で表現している作品群なんですよ
アニメでそれがわかるように描くかはわからないし、だからこそこの作品は業界内にフォロワーが多くいながら一般には受けていないんです
コメントありがとうございます。
シリーズ調べてみましたが、確かにかなり多くの作品が出ていますね。
これが全てで世界観が表現されているとなると、今回のリメイク版でも結局はブギーポップの世界観を再現は不可能であり、結局は原作読んでいる人とアニメから入ろうとした人であまりにも大きな差が生れそうです。
事実、ファンが多いという理由で見始めましたがアニメの展開だけを見ると浅いと感じており、何が人気なのか分からないほどですから。
勿論、アニメも今後の展開次第で楽しくなる可能性もあると思うので見ていきますが、原作を再現で来ていないアニメ・ブギーポップシリーズの評価をブギーポップシリーズ全体の評価にはしないようにしておきます。