虚構推理1巻の感想と考察※ネタバレ注意|知恵の神と不死身コンビの怪異ミステリー!

こんにちは、漫画大好きなりょう(@mangaryou)です。

城平京(しろだいら きょう)先生の小説である虚構推理を片瀬茶柴(かたせ しばちゃ)先生が漫画化した虚構推理の漫画版の感想になります。

 

虚構推理は怪異や妖怪などが登場するミステリー作品であり、特異な運命を背負っている主人公とヒロインが怪異絡みの事件を解決していくという物語。

ミステリーの進みが早くスピード感があり、キャラクターたちも登場する人数が少ない分、それぞれのキャラクターの立場や感情を読み解きやすいのが魅力だと感じています。

全体的に読みやすい怪異ミステリー漫画、虚構推理1巻の感想になります。
※ネタバレ注意

主人公・九朗とヒロイン・琴子の出会い

物語は主人公の桜川九朗(さくらがわ くろう)22歳とヒロインである岩永琴子(いわなが ことこ)17歳の2人です。

2人の出会いは琴子が通っている病院であり、九朗が院内を走っていた子供を避けようとした際にぐらつき後頭部を打ち付けるほど強く転びかけたところを後ろいた琴子が支えるという出会いでした。

 

この際に琴子は九朗の事を『ヤギのような人』だと感じます。。。

一般的にヤギというと鈍い動物という印象がある為に『???』と思う方も多いと思います、僕もそうでした。

が、琴子曰く、本来ヤギは敏捷であり高地でも荒れ野でも苦も無く暮らせる力を持ち、種類によっては強靭な角も持つそうです。

なぜヤギに例えたのかは良く分かりませんが琴子は、九朗に対して『容易ならない鋭利さ』を感じたらしく九朗に一目惚れしてしまいます。

 

そんな出会いから2年後。

九朗が彼女と別れたことを知った琴子は九朗に思いを打ち明けるのですが、その際の言葉というのが積極的で。。。

琴子『私と結婚を前提に付き合いませんか』

引用:虚構推理1巻

ひょんなことで出会った2人の恋物語は、琴子の強引なアプローチによって幕を開けるわけです。
°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

年齢差が5歳あったり、なぜ琴子がここまで九朗に思いを寄せたのか?

冒頭では疑問が多いのですが、この答えは1巻の中でサクサクと明らかになっていったので、琴子が九朗にここまで強く惹かれた本当の理由を先に紹介していきます。

琴子の正体は知恵の神|クエビコ

九朗に強引に迫っていく琴子の正体ですが、それは一般的に怪異と呼ばれる存在達に知恵の神と呼ばれる存在でした。

 

琴子は生まれながらにして知恵の神だったわけではなく、11歳の頃に怪異にさらわれ『どうかわれらの知恵の神になってくださいまし』と頼まれた際に『はいなりましょう』と答えた結果として、彼らの知恵の神となりました。

怪異たちが11歳の少女に神の座を頼んだことからわかる通り、多くの怪異は知能が低い為に争いを鎮めとりなしてくれる存在・知恵の神を求めていたわけですね。

 

怪異たちの頼みを聞き入れ、琴子の知恵の神としての仕事として怪異たちの仲裁をすると同時に、怪異たちの力を借りれる存在へとなったわけです。

が、琴子は11歳の時に知恵の神になった際に代償を払っており。。。

引用:虚構推理1巻

右目はくり抜かれ義眼になり、左足は膝から下を失い義足に。。。
(;゚д゚)ゴクリ…

 

11歳の子供に知恵の神という名の仲裁役をしてくれないか?と頼んでおいて酷い事をすると感じてしまいますが、怪異たちにとっては当然の事だったのでしょう。

事実として日本最古の文献と言われる古事記に記されるクエビコ(久延毘古)という神の名があると琴子は言っているので、怪異たちにとっては一眼一足の姿こそが神の条件であり悪意がなかったことを理解していると同時に、琴子は片目と片足を失ったことを後悔はしていないようです。

 

人外の怪異が行った事という事もあり、善悪の判断が難しい所ですが琴子が後悔していない以上、結果としては良かったと考えるべきなのでしょう。

本当に事がことなので判断が難しい所ですけど。。。
(´-ω-`;)ゞ

 

ちなみにですが、クエビコというのは『かかし』を神格化したものであり田の神、農業の神、土地の神であるとされるそうです。

古事記の時代には『かかし』を神の依り代と考えていた故に山の神への信仰と結びつきがあり、収穫期や小正月に『かかし上げ』という祭をする地方もあるとのこと。

また、かかしという物が性質上、1日中世の中を見ていることから『天下のことを知り尽くす』という意味合いも込められており、琴子が怪異たちから全てを知り尽くす知恵の神と考えられているのは間違いないなさそうです。

 

勿論、琴子にそういった特異な能力はなく、あくまでも多くの怪異たちに慕われているが故に様々な情報が入ってくる。

それ故に誰よりも多くの事を知っているように思われているだけというのが真相とも言えそうです。

知能が低いとされる怪異たちからすれば、文字言葉通り知恵の神と表現するに相応しい状況に琴子があるのは間違いなさそうです。

 

とまぁ、琴子は11歳の頃に怪異たちにさらわれ知恵の神になった存在であるということを、九朗に強く惹かれている理由を理解するために知っておいてほしいです。

九朗の正体は不老不死|妖怪変化を2種類食べた人間

知恵の神となった琴子が惹かれた相手である九朗の正体は、妖怪変幻を2種類食べた怪異の力を持つ人間でした。

2種類の内、1種類の正体は1巻で明かされましたので紹介しておきます。

 

九朗が食べたとする妖怪変化の妖の正体が明らかになったのは、琴子に巻き込まれる形で暴走した怪異を止めに行った際でした。

暴走している怪異に九朗の片腕が食いちぎられてしまうのですが。。。

九朗『無茶ばかりしている君に言われるとは心外だ てっきり君には察しがついていると思っていたんだけど』

引用:虚構推理1巻

怪異に腕を食いちぎられた九朗でしたが、数秒程度の時間で一気に腕が再生。。。

おまけに九朗の腕を食いちぎった怪異は、九朗の腕を食べた後に悲鳴を挙げ溶けるように死滅しました。
∑(゚Д゚;≡;゚д゚)

 

どうやら九朗は11歳の頃に人魚の肉を食べて以来、体が損傷しても元通りに再生するようになったそうです。

人魚の肉を食べた者は不老不死になると言われていますが、見た目通り九朗は11歳ではなく、九朗曰く『成長しているのはもう一匹の妖怪の肉が効果の一部を打ち消しているんだろう』と言っていました。

 

この直後に琴子がもう一匹の妖怪を聞きましたが、九朗は話をそらし聞き出すことはできず。

かなり優秀な再生能力と、なにかしらもう1つの能力を持っている事になりますがそれは一体何なのか?が気になるところですが、とりあえずは話を2人の恋物語の理由に戻します。

 

結局のところは、琴子は怪異たちの知恵の神であり普通の人には理解されることが無い存在である。

それと同時に、怪異たちからすらも畏れられる九朗も普通の人間に理解されることが無い存在である。

経緯こそ違えど、共に怪異絡みで普通の人間からは理解されることが無くなった故に、心の拠り所として2人が寄り添っていくことになるという展開が描かれました。

 

怪異たちが登場する奇妙な物語であり、怪異にかかわった故に普通ではなくなった2人の恋物語が幕を開けました。

鋼人七瀬事件|九朗の元カノ登場で三角関係!?

物語は九朗と琴子が出会ってから1年半の月日が流れ、知恵の神となった琴子が仕事として怪異・鋼人七瀬が起こしている事件を止める為に動いていました。

鋼人七瀬と呼ばれる怪異は、2メートルほどの細長い鉄骨を携えフリルの目立つ赤と黒のミニスカートのドレスを纏う天谷大きいリボンを付けた顔の無い女性の姿をした怪異です。

鋼人『七瀬』と呼ばれている理由は、鉄骨事故で命を落としたアイドル・七瀬かりんの姿に似ている為であり、巷では七瀬かりんの亡霊とも言われています。

 

この鋼人七瀬が夜な夜な出没し人間に危害を及ぼしているという情報を聞きつけ、琴子が動き出したわけですが!

鋼人七瀬の事件を追っていたのは琴子だけではなく、鋼人七瀬が起こしている事件を地元の警察も追っており事件を担当していたのが九朗の元カノであるサキさんこと弓原紗季(ゆみはら さき)で。。。

引用:虚構推理1巻

偶然にも鋼人七瀬に襲われていたサキさんを琴子が救う形で、2人が出会ってしまうという展開でした。

サキさんを九朗の元カノであると一方的に知っていた琴子は、救わなければよかったなどの暴言も多かったのですが最後にはサキさんに対し『現在の彼女です』と堂々と告知したり。

コメディ全開のほんわかした出会いが描かれました。
(*´∇`*)

 

まぁ冷静に考えると今カノと元カノが出会ってしまったわけで、九朗にとっては今後が思いやられる展開ですけどね。

不死身である九朗にとっては鋼人七瀬よりも2人のギスギスした修羅場的な関係が恐いそうって思っちゃいましたから(笑)
(;^_^A アセアセ・・・

まとめ|バランスよく読みやすい

冒頭でも触れた通り全体的なバランスが良く、ミステリー・怪異・ラブコメという3つの要素が無駄なく綺麗に絡み合っているという印象で読みやすかったです。

主要キャラクターも少なくてメインのキャラクターは、主人公の九朗、九朗が大好きな琴子、九朗の元カノのサキさんの3人だけですからね。

それぞれの状況や立ち位置も分かりやすいですし、すんなり覚えられるのは本当に有難かったです。

ミステリー系でキャラクターが多いと、ただでさえ考えるミステリー要素があるのに、キャラクターの立場とか性格とかで、余計にどんどんわけわからなくなってしまうことが多いですからね。。。
ヾ(´▽`;)ゝ

 

キャラクター数を絞ってくれているお陰で本当に分かりやすいですし、1巻の時点で物語を勧めつつそれぞれを紹介してくれたのが本当に読みやすかったと大切なのでもう一度言っておきす!

 

後は全体的なキャラが立っていることや、ミステリー要素である鋼人七瀬の正体が気になるっていうのも良い所です。

キャラクターだけではなくてミステリー漫画で最も重要なミステリー要素がしっかりと気になる物になっていますからね。

 

本当に元アイドルの七瀬かりんの亡霊なのか?

仮に七瀬かりんの亡霊なら何を訴えて行動しているのか?

亡霊である鋼人七瀬を琴子&九朗はどう止めるのか?

 

言いたいことは言い終えたので、本当に全体的に楽しすぎて最後が気になる内容でしたとまとめて記事を〆ておきます!

最後までお読みいただきありがとうございました!

またのご来訪お待ちしております。
(*。>ω<)ノシ マタネッ♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。