くーねるまるた】1巻のあらすじと感想。貧乏な理由が疑問に感じる。

発売日:2013年1月30日
作者:高尾じんぐ
連載誌:ビッグコミックスピリッツ

あらすじ:要点まとめ

要点まとめ

ポルトガルの貧乏暮らしの女性がヒロイン。
安い食材で工夫して食べる。
空腹時のご飯が美味しそう。

物語はポルトガルから来日3年目のマルタを中心に描かれます。

職業等は不明、貧乏な暮らしをしながら工夫して空腹をしのいでいく姿が描かれているほのぼの系の食系漫画だ。

気になるところについて触れていこう。

タイトルの由来:ヒロインの本名

作品のタイトルになっている『くーねるまるた』だが、このタイトルは作中に登場するヒロインであるマルタの本名が由来している。

マルタの本名は、マリア・マルタ・クウネル・ゾロソ。

日本人からするとあまりにも長ったらしい名前だがポルトガルでは一般的な構成の名前だそうだ。

 

この長ったらしい名前を聞いたおばあちゃんがいうわけだ。

引用:くーねるまるた1巻

食う寝るマルタと、マルタの長すぎる名前を何となく文字った形で食い意地が張ったマルタを表現したのがくーねるまるたのタイトルになっている。

食って寝る姿が描かれている作品でもあるので、ぴったりと言えるタイトルだがおばあちゃんが偶然出会っただけの人なだけに少し残念な気はする。

多少なり関係のある人が言うのであれば、まだわかるがただただ失礼なだけだからだ。

 

ちなみにだが、ポルトガルでは名前は一般的に4つの言葉で構成される。

洗礼名・名前・母方の性・父方の性。

という風に構成されるので、マルタの名前はマルタであり洗礼名がマリア、母方がクウネル家で父方がゾロソ家であると言える。

 

現代の日本ではどちらの性を名乗るかで揉める事があるという話をチラホラ耳にするので、この方針は採用を検討する価値はあると思う。

子供の名前が名前+母方+父方になれば、名前をフルネームで呼ぶ際には面倒な気もするが父と母は生れた際のままで済むのだからある程度は楽だろう。

ただし注意したいのが、両親は離婚の際には楽でいいと言えるだろうが、子供は離婚し引き取られた側ではない性も継ぐ必要があるので面倒とも言えることだ。

関係の無くなった人の性が延々と纏わりつくと同時に、引き取った側が再婚した際に非常に面倒だろう。

 

離婚しないことが何よりだが、この名前方式はリスクの高さを感じざるを得ないがポルトガルでは離婚数が少ないかと思い調べたがポルトガルは世界で2位の離婚率だった。

その離婚率は68%と非常に高いので、ポルトガルの方針には疑問を感じざるを得ない。

話がくーねるまるたからそれているので、戻すが私の頭の中はポルトガル離婚率の高さでいっぱいだ。

マルタの職業不詳:なぜ貧乏なのか

物語に中心となり、貧乏ながら工夫して様々な料理を美味しく食べて良くマルタだが、読んでいて疑問に感じたことは多い。

中でも最大の疑問が、なぜマルタは貧乏なのか?という単純な疑問であると同時に物語の主軸に関わる事柄だ。

 

なぜ貧乏なのかという答えには、極論として言ってしまえば仕事がないから貧乏であると考えらえる。

しかし、作中にてマルタの発言からはマルタが貧乏である理由がイマイチ分からなくなる話が出てくるので疑問に感じている。

その話というのがこれだ。

引用:くーねるまるた

『去年の大使館のパーティーで食べた蟹のディップおいしかったな~』と空腹に耐えながら1人呟くマルタ。

そう、彼女は大使館のパーティーに呼ばれる程度には地位が高いのだ。

にも拘らず仕事がない為なのか、貧乏暮らしをしているという彼女の矛盾点が気になって仕方がない。

 

ポルトガルではある程度の地位を持っており日本語も流暢に話せるマルタはその気になれば仕事を探すことは簡単だろう。

しかし、マルタはエアコンすらついていないアパートに住み貧乏な生活を送っている。

なぜなのか?

この理由が1巻を読んでいる際には皆目見当が使いない為に読んでいてただただ疑問の感じざるを得ないのだ。

 

おまけに大学院に通っていたという発言もしているので、最低限の生活を送り最低限の資産があったことも明白だから尚謎だ。

エアコンすらないほどに安いアパートに住んでいるのになぜ食べ物に困るほどに貧乏なのか?

 

この疑問を抱くのは当然だろう。

ほのぼの日常系×貧乏料理というのがくーねるまるたの主軸だと思うのだが、貧乏な理由が分からないのだから読者としてはただただ疑問を抱くほかないのだ。

マルタが貧乏ながら工夫して美味しく料理を食べる姿は見ていて気持ちがいいのだが、貧乏な理由が分からない為に同時に疑問も抱いてしまうというのが欠点と言える。

 

物語の全体像としては、ほのぼの日常系×貧乏料理として成り立って入るのだが貧乏な理由が分からないというのは致命的過ぎると感じた。

大使館のパーティーに招待される地位を持ち、大学院を卒業しているマルタがなぜ貧乏なのか?

この理由について、今後の巻で読者に納得のいく説明がなされていることを期待したい。

まとめ:疑問は残るが楽しい作品

物語の主軸の部分でもあるマルタが貧乏であるという点には疑問が残っているのだが、読んでいて楽しい作品ではあった。

ほのぼの日常系の工夫して作る貧乏料理というのは満足に楽しめた。

しかし、書いてきたとおりマルタが貧乏な理由が分からない為に読者としては何とも言えない疑問が残ってしまったのが残念ではある。

貧乏な理由をある程度触れてくれればよかったのだが、大学院を卒業し大使館に呼ばれるほどのマルタが貧乏な理由は普通の人には皆目見当もつかないのだから。

 

今後の物語でマルタが貧乏な理由が明らかになってくれればいいのだが、それがない限りはどんなにマルタが美味しそうに食べようと疑問が付きまとうだろう。

マルタが貧乏である理由は楽しみではあるが、それと同時にドギツイ理由はやめてほしいという本音もあるから複雑だ。

かといって、ただニートですも辞めて欲しいという本音もある。

 

納得のいく貧乏な理由というのが描かれてくれることを祈るしかないのだが、読者として納得のいく貧乏な理由がイマイチ想像できないので私はきっと納得できないと思う。

ただ不満が残るだけであろう。

 

深く考えずに読むのであれば日常系の貧乏料理として楽しめるが、ひとたび貧乏な理由は?という疑問を抱いてしまうとただただ疑問が付きまとう漫画とも言える。

読むのであれば深く考えずに読むことをお勧めしたいが、既に手遅れな点は申し訳ないとしか言いようがない。

 

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